音楽、ドラマ、映画、ファッション、食など日本における韓国カルチャーは今や当たり前の存在。私自身も古くは親世代に流行した『冬のソナタ』からの韓国通(!?)です。その中で、韓国文学や小説など本も近年注目の文化の一つ。
本記事でご紹介するエッセイというジャンルも、ここ数年、様々な出版社から日本語訳されたものが出版され、人気を博しています。
K-POPアイドルや著名人がおすすめしたことから人気に火がついたエッセイも多いのだとか。
また、エッセイ表紙のイラストがとても可愛らしいのも”韓国エッセイ”の特徴です。
ですが、大きなポイントは、
- 自分の心に素直に生きる
- 無理に頑張らなくていい
- ありのままでいい
- 自分は自分、他人と比べる必要はないよ
というメッセージが込められているものが多く、現代に生きる私たちに勇気を与えてくれる、そんな存在です。
人間関係、恋愛、人生……このままで本当に良いのだろうかと悩んだときに手に取っていただきたいものばかり。
私自身、自分の心と向き合いたいときに、一度読んだエッセイでももう一度読むこともあります。
本記事では、2020年~2021年春頃までに、私が実際に購入して読んだ、共感必須のおすすめ韓国エッセイ12選として題し、おすすめ度(最大星5つ)や共感したところなども合わせて紹介します。
(※あくまでも私個人の見解です。ネタバレもありますので、ネタバレ可な人のみお読みください。)
- おすすめ韓国エッセイ①:私は私のままで生きることにした
- おすすめ韓国エッセイ②:頑張りすぎずに、気楽に
- おすすめ韓国エッセイ③:ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。
- おすすめ韓国エッセイ④:あやうく一生懸命生きるところだった
- おすすめ韓国エッセイ⑤:すべての瞬間が君だった
- おすすめ韓国エッセイ⑥:+1cm(プラスイッセンチ)
- おすすめ韓国エッセイ⑦:怠けてるのではなく、充電中です。
- おすすめ韓国エッセイ⑧:私が望むことを私もわからないとき
- おすすめ韓国エッセイ⑨:大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした
- おすすめ韓国エッセイ⑩:実は、内向的な人間です
- おすすめ韓国エッセイ⑪:死にたいけどトッポッキは食べたい
- おすすめ韓国エッセイ⑫:誰よりも先にあなたが幸せになりなさい
- まとめ
おすすめ韓国エッセイ①:私は私のままで生きることにした
- タイトル(日本語):私は私のままで生きることにした
- タイトル(韓国語):나는 나로 살기로 했다
- 著者:キム・スヒョン
- 翻訳者:吉川南
- 出版社:ワニブックス
- 発売日:2019年2月23日
◆おすすめ度 ★★★★★(星5つ)
私が韓国エッセイというジャンルで初めて購入した本、且つ今では私のバイブルでもあります。好きな本、おすすめの本は何ですか?と聞かれれば、間違いなく、このエッセイを紹介します。
ありのままの自分で生きていくって簡単そうに見えて、実はとても難しい。普通の自分を受け入れることも。特に、私は自分を優先して、大切にすることがなかなかできません。
常に相手(人)第一にになってしまい、その人のために最高の完璧の自分でいようとしてしまうところがあります。完璧な人間なんてこの世にいないのに……。
そんな私が特に共感したのは、
P.45 完璧な人生なんてない
そして、完璧を求めてしまうがゆえに、しんどくなることが多い、けれどそれをなかなか人には伝えられない……まさに
P.146 しんどいときには、しんどいと言おう
このエッセイには、私がこれまで感じていたけど、なかなか言語化できていなかったところが、驚くほどに文章として書かれていました。
生きづらいと感じることが多い現代社会の中で、一日一日を、そして自分自身を大切にして生きてほしい、そんな気持ちが込められていると思います。
おすすめ韓国エッセイ②:頑張りすぎずに、気楽に
- タイトル(日本語):頑張りすぎずに、気楽に お互いが幸せに生きるためのバランスを探して
- タイトル(韓国語):애쓰지 않고 편안하게
- 著者:キム・スヒョン
- 翻訳者:岡崎暢子
- 出版社:ワニブックス
- 発売日:2020年12月11日
◆おすすめ度 ★★★★★(星5つ)
『私は私のままで生きることにした』に続くエッセイが、この『頑張りすぎずに、気楽に お互いが幸せに生きるためのバランスを探して』です。
おすすめ度は星5つなのですが(笑)
こちらも驚くほど、自分が言いたかったことが言語化されていて、共感の嵐でした。
生きていれば誰しもが「自分」以外の「誰か(他者)」と関わることになります。どんな繋がりであろうと、人間関係って悩みますよね。
私はいつからか、ずっと人間関係に悩んでいる人生でした。このエッセイを手にしたときも。
”自分を守りながらも、他者と心地よい関係を築いていく”
簡単そうに見えて、実はとても難しい、そんなところにフォーカスをしぼって書かれたエッセイです。
おすすめ韓国エッセイ③:ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。
- タイトル(日本語):ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。寂しくなくて疲れない、あなたと私の適当に近い距離
- タイトル(韓国語):적당히 가까운 사이
- 著者:ダンシングスネイル
- 翻訳者:生田美保
- 出版社:CCCメディアハウス
- 発売日:2020年12月23日
◆おすすめ度 ★★★★☆(星4つ)
「ほっといて欲しいけど、ひとりはいや」というエッセイのタイトルが、”分かる分かる”と思わず共感せずにいられないという感じがしませんか?
人間関係に疲れて、一人でいたい、一人にしてほしい、ほっといて!って誰もが経験していることだと思います。
でもどこかで注目してほしい、寂しい、かまって!という相反する気持ちも心にあったり……
そんな複雑な自分の感情を認めてあげるという、できそうでできないことがしっかりと言語化されています。
私は、今も昔も”ほっといてほしい、でもひとりはいや、寂しい”というタイプなので(笑)、このエッセイを見かけたとき、私そのまんま!と思いました。
疲れたとき、疲れた心のお守りにしてほしい、そんなエッセイです。
おすすめ韓国エッセイ④:あやうく一生懸命生きるところだった
- タイトル(日本語):あやうく一生懸命生きるところだった
- タイトル(韓国語):하마터면 열심히 살 뻔했다
- 著者:ハ・ワン
- 翻訳者:岡崎暢子
- 出版社:ダイヤモンド社
- 発売日:2020年1月16日
◆おすすめ度 ★★★☆☆(星3つ)
「あやうく一生懸命生きるところだった」というタイトルにわりと衝撃を受けた記憶があります。
というのも、私は基本的に一つの物事に対して、全力で挑む、取り組むタイプです。ちゃんと成果を出したいという気持ちも強いんです。
それが普通だし、それが当たり前だと思っていたのですが…
エッセイとは離れますが、最近知人のコーチングを受け、私は全力過ぎるから、一生懸命すぎるから、人一倍疲れてしまうことに気付きました。
このエッセイでも、「努力は報われないこともある」といったような、タイトルだけ見るとえ?と思うことがあるのですが、努力したら必ず見返りがあるといった精神論的なことではなく、肩を抜いて、楽しくチャレンジした方が良いという、アドバイスなのです。
良い意味で適当に、一生懸命すぎず、そのプロセスそのもの自体を楽しむことが大事ということです。それに気付ける、言語化できる人ってなかなかいないよなと思ったエッセイでした。
おすすめ韓国エッセイ⑤:すべての瞬間が君だった
- タイトル(日本語):すべての瞬間が君だった きらきら輝いていた僕たちの時間
- タイトル(韓国語):모든순간이 너였다
- 著者:ハ・テワン
- 翻訳者: 呉永雅
- 出版社:マガジンハウス
- 発売日:2020年5月28日
◆おすすめ度 ★★★★☆(星4つ)
2018年にパク・ソジュン×パク・ミニョンが共演したことでも話題となった、
人気韓国ドラマ『キム秘書は、いったいなぜ?』(김비서가 왜 그럴까)の劇中に登場したことで、たちまち人気となったのがこのエッセイです。
エッセイの中で「君と僕」が織り成す、淡い恋愛模様に切なくも、心が温まります。加えてイラストの色合いもこのエッセイにぴったり。
韓国エッセイの中でも、比較的イラストが多めなので、読書が苦手な人にもおすすめしたいです。
おすすめ韓国エッセイ⑥:+1cm(プラスイッセンチ)
- タイトル(日本語):+1cm(プラスイッセンチ) たった1cmの差があなたの世界をがらりと変える
- 著者:キム・ウンジュ
- イラスト:ヤン・ヒョンジョン
- 翻訳者:簗田順子
- 出版社:文響社
- 発売日:2016年7月20日
◆おすすめ度 ★★★★☆(星4つ)
人間辛くなると、全部何もかも変えたいと思ってしまうもの。そして、なんとなく満たされていないと感じたり、どうしたら幸せに、心が楽になるんだろうと悩むことってありませんか?
このエッセイは、一気に変えるのではなく、ほんの少し、本当にちょっとでいいから、ものの見方・視点を変えると、ネガティブな気持ちに変化が訪れる、生きやすくなると背中を押してくれます。
気持ちが変われば、また違う道が見えることもある、そんなヒントがたくさんつまっています。
私は落ち込むと、私はだめなんだと、だいぶ底辺までいってしまうタイプなので(苦笑)
「視点を変える」って凄く大事なことだと思いました。
このエッセイも比較的イラストが多く、ポップな感じなので、読書が苦手な人でもすぐ読むことができます。
おすすめ韓国エッセイ⑦:怠けてるのではなく、充電中です。
- タイトル(日本語):怠けてるのではなく、充電中です。昨日も今日も無気力なあなたのための心の充電法
- タイトル(韓国語):게으른 게 아니라 충전 중입니다
- 著者:ダンシングスネイル
- 翻訳者:生田美保
- 出版社:CCCメディアハウス
- 発売日:2020年5月30日
◆おすすめ度 ★★★☆☆(星3つ)
このエッセイも、物ごと捉え方次第だなぁと思いました。
やるべきことがあるのに、後回しにしてしまい、罪悪感だったり、消えることのない不安、人に迷惑をかけないようにするには……など。
私が今までずっと見て見ぬふりをしてきた、ずっと悩んできた問題をしっかりと言語化していて、且つ読者に寄り添ってくれる、そんなエッセイでした。
おすすめ韓国エッセイ⑧:私が望むことを私もわからないとき
- タイトル(日本語):私が望むことを私もわからないとき 見失った自分を探し出す人生の文章
- タイトル(韓国語):내가 원하는 것을 나도 모를 때
- 著者:チョン・スンファン
- 翻訳者:小笠原藤子
- 出版社:ワニブックス
- 発売日:2021年4月22日
◆おすすめ度 ★★★★☆(星4つ)
このエッセイの著者であるチョン・スンファン氏は、本を紹介するサイトを運営しています。このエッセイの中でも数々の本の一文を紹介しており、
帯にもある通り、まさに「あなたに寄り添う一文が、ここにある。」と思います。
私が気に入った箇所は、
・今すぐ夢に踏み出す勇気
・堂々と自由に
私は本当にやりたいことを見つけるまで、色んなことをして、遠回りしてしまった人生なので、学生時代にこの本があったら……と思った一冊でした。
また私は基本的に自分に自信がない、自己肯定感が低いことも悩みの一つなので、堂々と、私は私と主張してしっかり歩いていきたいと改めて感じたところでした。
おすすめ韓国エッセイ⑨:大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした
- タイトル(日本語):大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした
- タイトル(韓国語):괜찮지 않은데 괜찮은 척했다
- 著者:クルベウ
- 翻訳者:藤田麗子
- 出版社:ダイヤモンド社
- 発売日:2021年4月14日
◆おすすめ度 ★★★★★(星5つ)
このエッセイもまさにタイトル通りのこと、ありませんか?笑
私はほとんどそうです。本当は全く大丈夫じゃないのに、自分が我慢すればなんとかなると思うことあると思います。
このエッセイの中で特に共感したところが2つ。
「恋が重くなる瞬間」の中のフレーズ
自分で自分を愛して私が心から愛したい人に出会いたい、健全な恋はふたりのいいところが似ていくもの…
自分で自分を愛することってすごく大切だと思いますし、これも簡単そうで意外と難しいことなんじゃないかなと思いました。二人の良いところが似ていく、似ているって、確かに私の周りの素敵なカップルや夫婦ってすごく似てるんですよね。
逆にあの二人どうなんだろうと思う人たちは、結構……うん……という感じがしますw(あえて書きません笑)
もう一つは「やりたい仕事をするべきか、安定した仕事をするべきか」
これは私の永遠のテーマ!きっとこれから先もずっとずっと考えていくところだと思います。今は楽しく仕事をしていますが、それでも先のことは常に頭にあって、どういった形で仕事をしていくのがベストなのか日々悩んでいます。
ただこの中で、やりたいことがあることはそれだけで幸せなことだ
というフレーズがあり、きっと悩んでも悩んでも、結論はここに戻ってくるんじゃないかなと。
だから今の私は、誰がどう見てもきっと幸せなんだと思うようにしました。笑
かなりがっつり感想を書いてしまいましたが、間違いなくおすすめ度は5です!!
おすすめ韓国エッセイ⑩:実は、内向的な人間です
- タイトル(日本語):実は内向的な人間です
- タイトル(韓国語):사실 내성적인 사람입니다
- 著者:ナム・インスク
- 翻訳者:カン・バンファ
- 出版社:創元社
- 発売日:2020年11月18日
◆おすすめ度 ★★★★☆(星4つ)
私は自分が内向的なのか、外向的なのか、考えることがあります。
人と関わることがそんなに得意ではない、人前に出たくない、なのに何故か人とがっつり関わる仕事をしていたり(笑)
この帯にも書かれていますが、大勢の集まりは疲れる、まさにそれ。
でも、自分の意見だったり何か求められる場面では、ある意味本来の自分を隠し、堂々としようとします。ずっと気付いていなかったのですが、これがまさしく”社会性スイッチ”を押すということだったんだと、このエッセイを読んで納得しました。
未だに自分はどんな人間なのか考えることはありますが、このエッセイは、自分の内面について考える良い機会でした。
おすすめ韓国エッセイ⑪:死にたいけどトッポッキは食べたい
- タイトル(日本語):死にたいけどトッポッキは食べたい
- タイトル(韓国語):죽고 싶지만 떡볶이는 먹고 싶어
- 著者:ペク・セヒ
- 翻訳者:山口ミル
- 出版社:光文社
- 発売日:2020年1月21日
◆おすすめ度 ★★☆☆☆(星2つ)
「死にたいけどトッポッキは食べたい」というエッセイのタイトルに衝撃を受け(笑)購入しました。
他のエッセイに比べるとおすすめ度は低めですが、筆者の不安定な心がこれでもかというくらい、ありのままに描かれたエッセイです。
どう捉えるかは読者次第というところですが、自己肯定感の低さは、私も今もなお、感じでいるところではあるので、そこに関しては共感できたといったところです。
ちなみにこちらのエッセイは2も出ています。
またこのエッセイのイラストを描いたのは、『怠けてるのではなく、充電中です』『ほっといて欲しいけど、ひとりはいや』の著者・ダンシングスネイルさんです。
おすすめ韓国エッセイ⑫:誰よりも先にあなたが幸せになりなさい
- タイトル(日本語):誰よりも先にあなたが幸せになりなさい
- タイトル(韓国語):법륜스님의 행복
- 著者:ポムリュン
- 翻訳者:朴慶姫
- 出版社:マガシンハウス
- 発売日:2021年3月11日
◆おすすめ度 ★★★☆☆(星3つ)
このエッセイの著者・ポムリュン氏は、僧侶です。キリスト教徒の方が多い韓国ですが、宗教の垣根を越えて、様々な人から人気があり、僧侶のYouTubeのチャンネル登録者数は、なんと110万人(2022年2月現在)。
仏教の教えがベースとなっているものの、人間関係、家族、恋愛、仕事など人間悩むことは色々とありますが、それを変えられるのは自分だけということに改めて気付かされる、そんなエッセイでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。私が実際に購入した韓国エッセイをまとめてみました。
本屋に行くと新しいエッセイが次々翻訳され、発売されているので、あれもこれも読みたいと、読んでいないものがたまっていく……という現象が起きていますが(笑)
それはさておき、イラストの可愛さだけでなく、気付いているようで気付いていなかった、言語化できていなかった、そんな物事が韓国エッセイにはつまっています。
文章量もさほど多くないので、読書が苦手な人も是非、手にとって読んでみてください♪
人生のヒントを得られるかも。
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